2017/10/01

GS ブレーキ&タイヤ点検 64,500km

オイル交換のついでに、タイヤとブレーキの点検です。

まずはフロントタイヤの溝。
 タイヤ中央部の溝は、3.4mmでした。
 続いてリヤタイヤのチェック。
 リヤタイヤ中央部の溝は 4.4mmでした。
タイヤの消耗履歴はこんな感じです。
タイヤ残溝
走行距離
フロント
リヤ
2016/10/23
(57,300km)
0km
5.0mm
8.0mm
2017/3/19
(59,000km)
1,700km
4.4mm
6.9mm
2017/10/1
(64,500km)
7,200km
3.4mm
4.4mm


続いて、ブレーキパッドの残厚チェック。

今回は、ちゃんとパッドを外して厚みを計測しておきます。
まずはフロント側。
 直接測った厚みは 4.5mmでした。
フロント右側も同様の厚みでした。 
リヤブレーキのパッドの取り外しはパッドピンをハンマーで叩き出さなければならないので、ちょっと面倒。
ネットを徘徊して見かける限りでは、皆さんそれほど強くは叩いていない様子なんだけど、うちのGS君の場合は結構力強く叩かないと抜けてきません。。。 
パッドピンを新しくしたりすれば改善するのかなぁ。
リヤの右側(外側)パッドのベースプレートも含めた全体の厚みは 7.8mm。
ベースプレートの厚みは  3.8mmだったので、パッド残厚は 4.0mmです。
リヤの左側(内側)パッドのベースプレートも含めた全体の厚みは5.9mm
ベースプレートは 3.5mmなので、パッド残厚は 2.4mmということです。
リヤのブレーキパッドはフロントよりも減りが速いようなので、交換時期になったら、純正ではないものを一度使ってみようと思っています。 








アンダーガード歪み矯正

R1200GSのオイル交換のついでに、 以前から気になっていたアンダーガードの歪みをちょっと補正してみることにしました。
アンダーガードを取り外す前に、現状を観察しておきます。
まず着目すべきは、アンダーガードのリヤ側の固定部。
写真中央に、黒いゴム製の「バイブレーションバンパー」が見えます。
この整備解説図では③の部品になります。
上下別々のボルトがゴムで接続されている構造の部品です。

アンダーガードが取り付けられている状態では、こんなに斜めになっていました。
軸がずれている分を、ゴムダンパーが吸収してくれている状態です。
アンダーガードを取り外した状態のバイブレーションバンパーは下の写真。 
ゴム部に斜めのクセが少し残っていますがボルトはほぼ垂直です。
ここにもう一度アンダーガードを取り付けようとすると、穴位置がずれているものを無理やり組み付けることになるので、すごく苦労することになります。 
前回、自分でオイル交換した際に、とっても苦労しました。 それが、今回やりたい歪みの矯正の理由です。
 取り外したアンダーガード。 写真右側がフロントです。
アンダーガードのリヤ側は前述のバンパー付きボルトでエンジンブロックに固定されますが、フロント側は、ブラケット(ホルダー)を介して貫通ボルトでエンジンブロックに接続されます。
アンダーガードを観察したところ、ブラケットの接触痕がありました。
この部分に変形があるってことですね。
アンダーガード全体としては特に歪んでいるようには見えないので、悪いのはブラケット側のようです。

ブラケットを横から見てみたら、 貫通ボルトの穴がずれているし、なんだか曲がっているよね。。。
 中央部をまっすぐ見ると全体が捻じれているような感じにも見えます。
ブラケットが変形しているのは間違いないのですが、本来の形状がよく分からないし、それほど高価なパーツだとも思えなかったので、価格を調べてみました。
単なる鉄材の溶接品にしか見えないのですが、さすがBMWマークの刻印付き。。。 約5,000円もしました。 はい、力ずくで矯正することにいたします。(^^;

ちなみに 部品名は「アンダーカバー ホルダー (Bracket, underride protection)」パーツ番号としては、11117695189 です。
鉄工用のハイパワーな工具など持っていないので、ブラケットをアンダーガードにボルト固定して、パイプレンチでこじって矯正を試みました。
バイクが腹下を岩などに打った時に エンジンブロックを守るための装備ですから、そう簡単には曲がってくれません。
結局、わずか2~3ミリ程度しか動きませんでしたが、接触痕のあたりは十分な隙間ができましたし、ズレていたボルト穴が2~3ミリくらい戻せたのならば大成功です。
矯正したブラケットを一旦アンダーガードから取り外し、ブラケットだけを貫通ボルトでエンジンブロックにぶら下げます。
貫通ボルトを軸にして、ブラケットは前後に多少動く(傾く)ことができます。
この機構とリヤ側のバイブレーションバンパーのお陰で、バイクの腹を打ってもアンダーガードが受ける衝撃を逃がしてあげるようになっているわけですね。
 今、思うと、この状態でこじってあげればもう少し矯正できそうに見えますね。
次の機会にやってみましょう。
完璧ではないものの、だいぶ矯正できたのでアンダーガードを取り付けてみました。
肝心な写真を取り損ねていますが、リヤ側のバイブレーションバンパーのボルトが通る穴位置のズレはかなり小さくなり、簡単に取り付けられました。
それでもまだ少し窮屈な感じだったので、また次の機会に、もう少し矯正してみようと思います。

ちなみに、歪みが出ていたそもそもの原因についてはイマイチ明確ではないのですが、、、
だいぶ以前に、ちょっと高さのある歩道から車道に降りる時だかにアンダーガードを強めにヒットしてしまった記憶があるような無いような。。。 
んー、あれは、前のバイク(アフリカツイン)の時だったかなぁ、、、って感じの曖昧な記憶です。(^^;;;

GSオイル交換 64,500km

R1200GS (2008年式)のエンジンオイル交換です。
前回の交換は4月の車検時(59,200km)なので、6ヶ月 5,300km経過後の交換になります。
5,000kmごとくらいを目安に交換しているので距離的にちょうど良いですが、今回はむしろ「衣替え」と同じく、暑い季節が終わって寒い季節になる前に入れ替えるような感覚として、ちょうど良いタイミングです。

そういう時期用ということもあり、今回のオイルは、カストロール エッジ (Castrol EDGE) 5W-40 にしてみます。 初めて使うオイルですが詳細は後述。

交換作業前にオイルのレベルを確認したところ、油面が確認窓の赤丸の最下部ギリギリに見える、ちょうど下限ラインでした。
このバイク(エンジン)はオイルの減りが速いとよく言われます。 確かに、私がこれまで乗っていた他のバイクでこんなに自然減はありませんでしたが、規定通りの量が入った状態から5,000km走った頃に下限値なので、文字通りの許容範囲内です。
今回、もし交換しなかったら、ちょっと補充だけでもしておくべきってことですね。
古いオイルを抜くためには、まず、アンダーガードを外します。
今回は、このアンダーガードを外したついでに、取り付け部の歪み修正を行いました。
この写真右側(車体としてはフロント側)に見える「Z」型の取り付け金具部分です。
この歪み修正については別記事にしたいと思います。
いつもの通り、4.5Lの廃油箱を使います。
  なぜか時々、価格が乱高下するようです。
今回私が買った時には 235円だったのにこのブログ記事を書いている時には 533円。。。  

古いオイルをなるべく全部出し切って、、、
ドレインプラグのアルミワッシャーは買いだめしてあるので、安心して新品に取り換えられます。  ・・・実は、どこにワッシャーをしまっていたかを忘れてて、探し出すのに苦労したけど。(^^;

前回のオイル交換時には(車検時にディーラーに依頼した整備で)フィルターエレメントも交換したので今回はオイルのみです。
初めて使うオイルはこちら。

 

CASTROL(カストロール) エンジンオイル EDGE 5W-40 SN 全合成油 4輪ガソリン/ディーゼル車両用 4L


全合成油が4Lで3,200円。スペックの割に価格が安いことが、最大の魅力であり今回これを選んだ理由ですが、Amazonでの評価も高く、よく売れているようなので利用者の絶対数が多いというのも安心材料のひとつ。 

ただ、このオイルの注意点として、あくまでもクルマ(四輪車)用です。
商品にも「2輪車には使えません」と明記してあります。
この意味は、、、もちろん車輪の数でオイルが決まるわけではないので、(多くのバイクで採用されている)湿式多板クラッチには使えない、ということだと解釈しています。

つまり、このオイルのような最近の高性能オイルは省燃費のために摩擦を低減させる添加剤が含まれており、それが湿式クラッチには適さない(クラッチが滑るのは困る)のであって、乾式単板クラッチが採用されている私のバイクでは問題にならない、、、というのが私の理解です。  
私の理解が正しいかどうかは別として、あくまでも四輪車用のオイルですのでくれぐれも誤解無きように。 (^^;
さて、新しいオイルの注入に際し、新しい道具も採用してみました。
100均のキッチン用品コーナーで見つけた、シリコン製の折りたたみジョウゴ(漏斗)です。
このバイクのオイル注入口は左側のシリンダヘッドカバーにあり、一見、オイルを入れやすい位置なのですが、写真の通り、注入口の直下にシリンダヘッドカバーを固定するボルトが通っており、ふつうのジョウゴはうまく入りません。
そこで、このシリコン製のジョウゴです。 いい感じに変形してバッチリとセットできます♪
新しいオイルが気持ち良く注ぎ込まれていきました。
規定のオイル全量は4.0Lですがフィルター交換なしなので、とりあえず3.5L注入して、エンジン停止のままでレベルゲージを見ると綺麗な色のオイルが上限値を超えて見えてます。
ここでエンジンを掛けると、油面が下がりながらいかにも撹拌された感じの気泡が見えてきます。
ある程度油温が上がってくると、油面は下限まで下がってしまいました。
500ccほどオイルを追加投入して作業完了。
ちょっと油温が上がった状態でレベルゲージの上限なので、まぁ、これくらいで良いでしょう。(^^;
果たしてこのオイルの使い心地はどうでしょうか?
・・・って、実際のところ、オイルの違いを感じ取るほど繊細な乗り方はしてないんですけどね。(^^;

2017/09/30

ウインカースイッチの分解修理

バイクのウインカーキャンセルスイッチの「クリック感」が無くなってしまいました。
・・・と言っても、BMWのちょっと特殊なウインカースイッチをご存知ない人には意味不明でしょうから、まずその説明から。(^^;

私の R1200GS (2008年型)に限らず、BMWバイクでは長年にわたり独特なウインカーのスイッチ配置が採用されていました。 (数年前の新型車以降は国産車と同じ配置になっています)

左ウインカーは左手側のプッシュスイッチを押し、右ウインカーは右手側のスイッチを押します。そして、ウインカーを消すには右手側にあるキャンセルボタンを押す、という方式です。

左右のウインカーボタンもキャンセルボタンも親指で押した時に軽い手応え(クリック感)を感じられるようになっているのですが、、、
先日運転している途中で、ウインカーキャンセルスイッチの「クリック感」が無くなってしまったことに気付きました。

ウインカーを消す機能的には問題無いのですが、手応えが無いと消せたかどうか分からないし、何よりもとても気持ち悪いので、ちょっと見てみることにしました。

BMW R1200GS (2008年)の右側コンビネーションスイッチはこうなっています。
上から、セル(スターター)&キルスイッチ、グリップヒーター、ウインカーキャンセル、右ウインカースイッチです。
 

右矢印のボタンを押すと右ウインカーが作動します。
(左手側にある左ウインカーのボタンと同時に押すとハザードになります)
ウインカーやハザードを停止させるのが、このキャンセルボタンです。
クリック感が無くなってしまっていますが、もちろん外観上は特に異常は見当たりません。
コンビネーションスイッチをバイクから取り外してみます。
バックミラーとブレーキレバーをハンドルバーに固定しているボルトを緩めて少しずらしてあげて、コンビネーションスイッチのカバーを外します。
カバーの固定ビスのサイズは、トルクスの T10です。
車体側とつながっているコネクタを外した上で、ハンドルバーとの固定ビス2本(サイズはT10)を外せば、コンビネーションスイッチがごっそり取れます。
取り外した、右コンビネーションスイッチ
 予想はしていましたが、肝心のウインカーキャンセルスイッチの内部の様子を見るためには、このユニットそのものを分解する必要があることが分かりました。
一旦、元通りにバイクに付け直し、現状のままで我慢しようかとも考えたのですが、、、やっぱりクリック感が無いのは気になります。。。

内部構造が分からないままに分解し、いじくり壊して被害が拡大することが一番怖いので、Facebook上にある BMWバイクのグループで「コンビネーションスイッチの分解経験や内部構造をご存知の方はいますか?」と尋ねてみたところ、短時間にヒントになる情報を複数頂くことができたので、本格的に分解してみることにしました。

その前に、このコンビネーションスイッチを丸ごと交換することになった場合の価格を調べてみたところ、部品代だけで35,000円ほどと判明しました。
・・・この金額を意識しながら、分解修理にチャレンジすることにします。


さて、このコンビネーションスイッチのユニットを分解するには、T7という小さなサイズのトルクスレンチ(ドライバー)が必要になります。
T10以下のものは持っていなかったので、これを機に購入しました。

T2という極小サイズ~T20の11本セットです。
「いじり止め」トルクスにも対応しているので、欧州車のメンテだけでなく、パソコンなどをいじる時にも重宝しそうです。 (^^;

まずはカバーを分離させて、
ボタン(ノブ?)部分を外すとスイッチ本体が見えてきました。
内部的には同じ形状の小型プッシュスイッチが並んでいます。 直径12mmほどの丸型です。

この状態でスイッチを押してみると、ウインカーキャンセルスイッチにはやはりクリック感が無く、ウインカースイッチにはちゃんとあるので、問題はこのスイッチ内部に起因するようです。

一般的に、クリック感のある小型スイッチは、タクトスイッチ(=タクタイル/タクティル/Tactile)と呼ばれます。

世の中には文字通り無数の種類のタクトスイッチがありますので、スイッチ自体が壊れて修理不能ならば、寸法などが似通った市販品を流用することも考えながら、不具合が生じているスイッチを慎重に分解してみました。

スイッチ本体を分解した途端、内部からバネが飛び出して来ましたが、(少なくともこの時点では)特におかしな部分は見当たりません。
黒いリング状の部品は薄いゴム製の防水防塵カバーですが劣化や破れなどは無く、そのお蔭でスイッチ内部は、中央に見える金属接点の状態も含めてとてもキレイです。

不具合の原因として、内部に小さなゴミや部品の破片のようなものが入り込んでいることも想定のひとつだったのですが、文字通り、チリひとつ入っていませんでした。
スイッチ内部中央の金属接点は2枚のリード(弁)状になっていて、分解状態では接触(導通)しています。
組み立てられた状態では白い樹脂部品(プランジャーと呼んでおきます)の中央内部に見える小さな「横棒」部分がスイッチ内部で接触している2枚の金属接点の間に分け入って切り離す位置になり(通常時OFF)、その位置から押し込まれると「横棒」が接点の間を通過してしまうために接点同士が接触する(プッシュでON)、というしくみです。
・・・文字で書いてもサッパリ意味不明かもしれませんが。(^^;
問題は、「クリック感」が本来はどのように生み出され、なぜ無くなっているのか、です。 
この時点では、白い樹脂部品の外周にある小さな突起(爪)が摩耗や変形していることを想定し、拡大鏡(ルーペ)を使って細かく観察したのですが、、、どうもそういう事では無さそうです。

いろいろ考えたのですが答えが分からなかったので、隣の(正常にクリック感のある)スイッチも分解して違いを比べてみることにしました。
これは、「右ウインカースイッチ」に相当します。

正常品を分解したら、答えはすぐに分かりました。
正常品(左)のように、本来はバネが少し縮んだ状態で筒状パーツ(プランジャー)に嵌っていなければならないところ、不具合状態(右)ではバネが外れて伸びきって組み付けられていたのです。
バネの端っこが折れかかっていたので外れたようです。 折れかかっていたところを除去して、というかピンセットとラジオペンチでいじっていたら完全に折れてしまったので取り除き、生き残ったバネを力づくで曲げて、正常品と同じように装着してあげました。
正しくバネを装着したプランジャーをスイッチ内部にはめ込んであげると、この位置が通常状態になります。
プランジャー内の「横棒」が金属接点の間に分け入って絶縁(オフ)した状態です。
スイッチが押されてプランジャーの「横棒」が金属接点の「バネっけ」を乗り越えて通過する時にクリック感が得られ、プランジャー周囲に付け直したバネの力で押し込まれた状態から通常状態に戻るメカニズムになっていました。

・・・このブログ記事は、自分自身の備忘録の意味だけでなく、同じような問題に遭遇したどこかの誰かの役に立てるかも、、、という期待を込めて書いているわけですが、、、ここまでの写真と文字情報だけで、果たして自分以外の人に、このスイッチの構造が通じているかなぁ。(^^;;;
ホントは図でも描けば分かり易いのでしょうけれどね。

何はともあれ、問題のタクトスイッチにクリック感が蘇りましたので、コンビネーションスイッチとして組み直します。

組み立て前の集合写真。(^^;

もう2度と分解しないで済むのか、それともまたすぐに同じような作業をやるハメになるのか分かりませんが、せっかくなのでキレイに掃除しておきましょう。

スイッチ本体のゴム製の防水ブーツ部分は、直接紫外線や水分油分に晒されるわけではありませんが、劣化して裂けたりしないように、シリコングリスとかを塗っておこうかと考えました。
でも、グリスだとかえって塵や埃が付きそうだし、コンビネーションスイッチの全体的がほぼ丸ごと樹脂製ですからシリコン系の保護剤で磨いてヨシとします。(^^;
おかけで、ずいぶんピカピカになりました。

強いこだわりがあるわけではないので、シリコン系の保護剤ならば「アーマオール」でも何でも良いのですが、現在は「ポリメイト」を愛用しています。
・・・一度買ったらなかなか無くならないから、ひとつの商品を愛用することになっちゃうだけです。(^^;

組立完了!
この後、バイクに付け直し、ウインカーキャンセルスイッチの「クリック感」が見事に復活しました!!

コンビネーションスイッチの丸ごと交換ならば部品代だけで 35,000円かかるところ、小さなトルクスレンチセットの購入と、少量のポリメイトの消費で済ませることができて大満足です。

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【2019/7/18 追加写真】