2018/04/29

GS整備 (リヤブレーキ、オイル、フィルタ交換) 68,000km

ゴールデンウイークの休日に通勤バイク(BMW R1200GS / 2008年) の整備です。

まずは、リヤブレーキパッドの交換から。

これは、交換前の写真。 あまり汚くないのは、2週間前に点検のためにパッドを外して軽く清掃したからです。 (前記事


このバイクには、ブレーキパッドの交換時期の判断するため、摩耗状況の点検用に2つの仕掛けがあります。

1つ目は、、、 
パッドピンに目印用の溝がリング状に彫られており、この溝がどのように見えるか、によって、交換時期を判断できます。
RepROM (公式の整備解説書)の図を引用します。
上図の通り、新品時には3本見える溝が、パッドが摩耗していくと、2本とか、1本しか見えなくなるわけなのですが、、、
上の写真の通り、自分のバイクの現状は、パッドよりも外側(写真では右側)に溝が見えてしまっているので、とっくに交換時期です。。。

2つ目の、リヤブレーキパッドの残厚点検の仕掛けは、、、バックプレートの穴です。
このように、穴越しに、ブレーキディスクの表面が見えちゃっています。 
・・・摩耗限界を突破したことを示しています。
詳しくは2週間前に点検した時の記事を参照ください。
 パッドピンの抜け止めクリップを外して、、、
 この作業のために、つい最近 やっと入手した、4mm径のピンポンチ。。。
 ピンポンチとプラハン(ショックレス・ハンマー)を使ってパッドピンを右側から打ち抜きますが、「キャリパーを叩く」という行為に背徳感(?)を感じるのは私だけかなぁ。。。

取り外した古いパッドは、2016年5月に 51,000km時点でディーラーで新品に交換したものです。
2年間 17,000km 走行で使い切ったことになります。

交換用の新しいブレーキパッドは、BMW純正(ブレンボ)ではなく「ベスラ」です。
性能も寿命も純正品とほぼ同等であることを期待していますが、果たしてどうかな?

ベスラ(Vesrah)のシンタードメタル・ブレーキパッド
GSのリヤ用パッドの型番は、VD-947/2JL です。
純正品(部品番号: 3421 7660 281)のちょうど半額くらいでした。


実は、このパッドは、左右の厚さが異なります。
メーカー(ベスラ)には、8.6mm と 10.2mmと書かれています。
BMWの純正パッドも新品時の厚みを変えてあるようですが、ベスラと同じ数値なのかどうかは未確認です。

肝心な部分の写真がありませんが、実測したところ、この 8.6mmと 10.2mmというのは、バックプレートの厚さを含めたものでした。

バックプレートの厚みは、左右とも実測値で 3.4mmでしたので、摩擦材自体の厚さとしては、5.2mmと 6.8mm です。  
厚いのは右側(外側)、つまりピストンで直接押される側のパッドです。 反対側の薄い方に対して パッド厚30%増量ですね。

なぜ、左右の厚さを変えてあるのか、その理由についてですが、、、

普通にパッと思いつくのは、「減りが速い方をあらかじめ厚くしてある」ってことですよね?
しかし、そうではなさそうです。

そもそも、ディスクローターを挟む2枚のパッドは均等に摩耗していくのが理想ですが、何らかの理由でどちらかだけの摩耗が進むことは十分に考えられます。

このバイクの場合、リヤブレーキは片押しピストンなので、そのメリットとして、ピストンが無い側(左側/内側)のパッドはバックプレート側から容易に観察することが可能です。

具体的には、この左側(内側)パッドのバックプレートに穴からディスクローターが見えてしまえば、それが摩耗限界であることが明確に判断できるのですが、反対側(右側/外側)のパッドについてはそれが見えないので分かりません。

そこで、左側(内側)パッドが摩耗限界に到達した時、反対側(右側/外側)のパッドには(たとえ偏摩耗があったとしても)必ず十分な残厚があるように、あらかじめ厚めに作ってある、、、ということなのだと思われます。

公式の(?)説明や解説は発見できていないので、完全に私の想像ですけど。。。

さて、新品パッドの取り付けにあたり、、、「面取り」をしてみます。
交換直後のブレーキ「鳴き」を抑える、という狙いがあると理解していますが、なかば都市伝説というか「おまじない」の一種だろうとも思っています。
・・・私自身、わざわざ面取りなんてしないで取り付けちゃうことの方が多い気もするけど特にそれでブレーキ鳴きに悩まされた経験はありませんので。

ま、我々のようなアマチュア整備に限って言えば、この作業によってパッドを丁寧に観察することになり、異物や異常がないことを確認するような意味合いはありそうに思います。
 今回の場合、初めて使う新品パッドのカドがやたらにシャープに見えたので面取りすることにしましたが、このパッドの材質をヤスリで削る感触(柔らかいとか)と、どんな削りカスが出るのか確認しておきたかったこともあります。

思っていたよりずっと柔らかい感触でガリガリと簡単に削れました。
面取り後のパッドはこんな感じ。

新品パッドは(当たり前ですが)擦り減ったパッドよりも厚いので、組み付ける際には、そのスペース確保のため、キャリパーのピストンを押し戻してあげなければなりません。

ピストンが固着気味だったりすると苦労する作業のところですが、手で、スーッと滑らかに押し戻せたので「ヨシヨシ」と、そのまま全部戻して、、、、おっと、これは失敗でした。
本来は、パーツクリーナーとかでピストンをきれいに掃除してから押し戻すべきだったのですが、、、そのまま(汚れたまま)のピストンを押し込んでしまいましたぁ。。。
パッドの面取りよりは、こちらに手間を掛けるべきでしたが、、、ま、いっか。

新品パッドを組み付けた状態では、パッドピンに彫られている目印の溝が、パッドよりも内側に、ちゃっと3本見えています。 
交換前(この記事の1枚目)の写真と比べると違いが歴然ですね。


さて、続いてはオイル交換。
前回の交換は10月1日の 64,500km だったので、7ヶ月 3,500km走行です。
交換は5,000kmごとで十分だと考えている私の感覚的にはチト早いのですが、まぁ良いでしょう。

今回は、フィルターエレメントも交換します。
実はこのバイクのフィルタを自分で交換するのは初めてです。
(BMW純正パーツ番号:1142 7 673 541)
必要な時にすぐに交換できるように、3年前にこのバイクを中古購入した頃から手元に用意してあったのですが、購入後12ヶ月と24ヶ月(=車検)の際のディーラー点検時に交換してもらっていましたので、自分でやるタイミングが無かったのです。
フィルタレンチ(アダプタ)も、バイク購入時から用意してありましたが、ようやく初登場です。

こうして、差込角3/8インチ(9.5mm)角のラチェットレンチと組み合わせて使うタイプです。
専用工具になってしまうけど、特に高価なものではないし、かさばらないし、使い勝手も悪くありません。

消耗したり壊れたりする部分もないので、(紛失しなければ)一生ものみたいなものです。

ただし、車両の型式や年式によって異なるものですので、くれぐれもオイルフィルターエレメントとの適合については十分に確認が必要です。

取り外したフィルタはオイルまみれですが、目詰まりを起こしているわけでもないので、ついつい「洗ったら新品同様になるだろうにな・・・」とか思ってしまいます。
ドレインワッシャーも、ぜんぜん再利用できそうではあるけれど、、、
あと二十数個あるので惜しまずに新品に交換しましょう。。。

投入するオイルは、前回と同じものです。
前回交換時の残りが1リットルほどあったから、ということもありますが、価格が安く、性能、、、というか、使用感としても何ら不満を感じなかったのでリピートしました。 

 

CASTROL(カストロール) エンジンオイル EDGE 5W-40 SN 全合成油 4輪ガソリン/ディーゼル車両用 4L


全合成油が4Lでこの価格。スペックの割に価格が安く、Amazonでもベストセラーなので安心して使えます。
ただし、本来は「2輪車には使用できません」ですので要注意。
(摩擦低減剤が配合されているため、湿式多板クラッチ車には使えない、という意味だと思います)


規定量のオイルを注ぎ込んで、作業完了です。

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