中古で購入した R1200GSが納車されて約1ヶ月経ちました。
納車直後から、いや正確には納車される前から、LEDフォグランプの取り付け(自作)についてあれこれやっていたのですが、ようやく落ち着いてきました。(^^;;;
そもそも、なぜこういうものを取り付けたかったのかと言えば、、、フォグランプと言いつつ、霧の中を走行することを想定しているわけではなく、暗い夜道を明るく照らしたいわけでもなく、、、
他の交通(クルマや歩行者など)に対して、自分の身を守るために、良い意味で目立つようにしたいのです。 つまり、「被視認性の向上」が主目的です。
意識している人は多くないのかもしれませんが、1灯のみのオートバイや自転車は、他者(他車)から見た時に、距離感や接近速度が把握しにくいものです。
車幅灯のような配置で補助灯を点灯することで、文字通り、車体の幅を示すと共に、接近速度などを感じ取ってもらいやすくなる事を期待しています。
ところで、近年、四輪車(クルマ)で「デイライト」という言葉が多く使われていますが、まず、本来の用語として正しくは「デイタイム・ランニング・ランプ(あるいはライト)」です。 DRL = Daytime Running Lamp/Light、「日中の走行用灯火」ってことですよね。
国内では青いLEDの「デイライト」が一般的なようですが、これは、現在の日本の法規(保安基準)ではあまり明るいと違法となってしまうため、明るさが足りないぶん、色でアピールする意図があるようです。
もう少し正確に言うと、2015年現在の国内法規上、「デイライト/DRL」としての規定はなく「その他の灯火等」として扱われるため、色の制限は緩やかですが、明るさが 300cd(カンデラ)以下という規定が適用され、結果として街中で見かける、あのくらいの明るさのブルーLEDが普及しているということです。
(2016年10月の保安基準改正により、四輪車にはDRLが解禁されましたが、バイクは対象外です。後述します。)
さて、自分のバイクのフォグランプの話に戻しますと、、、私の目的はDRLに近いものですが、あの青色LEDの明るさは少し物足りない気がしたこともあり、「フォグランプ」としての保安基準に適合させることにしました。
フォグランプ、すなわち「前部霧灯」については、保安基準にて以下のように規定されています。
前部霧灯
第33条 自動車の前面には、前部霧灯を備えることができる。
2 前部霧灯は、次の基準に適合するものでなければならない。
(1) 前部霧灯の照射光線は、他の交通を妨げないものであること。
(2) 前部霧灯は、前号に規定するほか、前条第1項第3号及び第4号の基準に準じたものであること。
3 前部霧灯は、前項に揚げた性能を損なわないように、かつ、次の基準に適合するように取り付けられなければならない。
(1) 前部霧灯は、同時に3個以上点灯しないように取り付けられていること。
(2) 二輪自動車、側車付2輪自動車並びにカタピラ及びそりを有する軽自動車以外の自動車に備える前部霧灯は、その照明部の上縁の高さが地上0.8メートル以下であって、すれ違い用前照灯の照明部の上縁を含む水平面以下、下縁の高さが地上0.25メートル以上となるように取り付けられていること。
(3) 二輪自動車、側車付2輪自動車並びにカタピラ及びそりを有する軽自動車に備える前部霧灯は、その照明部の中心がすれ違い用前照灯の照明部の中心を含む水平面以下となるように取り付けられていること。
(4) 前部霧灯の照明部の最外縁は、自動車の最外側から400ミリメートル以内となるように取り付けられていること。ただし、前条第2項第1号ただし書の自動車及び前条第5項の自動車に備える前部霧灯にあっては、この限りでない。
(5) 大型特殊自動車及び小型特殊自動車以外の自動車に備える前部霧灯の照明部は、前部霧灯の中心を通り自動車の進行方向に直交する水平面を含む、水平面より上方5度の平面及び下方5度の平面並びに前部霧灯の中心を含む、自動車の進行方向に平行な鉛直面より前部霧灯の内側方向10度の平面及び前部霧灯の外側方向45度の平面により囲まれる範囲においてすべての位置から見通すことができるように取り付けられていること。
(6) 前部霧灯の点灯操作状態を運転者席の運転者に表示する装置を備えること。
(7) 前部霧灯は、前各号に規定するほか、前条第2項第3号の基準に準じたものであること。
さらに細則として、下記のような告示があり、「白色又は淡黄色でありその全てが同一であること」とか「走行用前照灯及びすれ違い用前照灯の点灯状態にかかわらず、点灯及
び消灯できるものであること 」などはこちらで規定されています。
道路運送車両の保安基準の細目を定める告示【2009.10.24】〈第一節〉第 199 条(前部霧灯)
http://www.mlit.go.jp/jidosha/kijyun/saimokukokuji/saikoku_199_00.pdf
灯火の色や取付位置や個数などについて規定されていますが、特に無茶な指定はありませんし、一般的な「フォグランプ」はこうなるだろうなぁ、という規定ですのでこれに合致させることに違和感はありません。
しいて言えば、私の場合、ヘッドライト(前照灯)と同じく常時点灯でもいいかなぁ、と考えていたのですが、規定上、独立したスイッチが必要になってしまったことがちょっとだけ見込み違いでした。
肝心のフォグランプですが、、、専用品は高価なので、私は当初から安売りのLEDランプを使うつもりでバイクの納車前から用意してありました。
Amazonで購入した、1個 2000円程度の汎用LEDライトです。
元々は白色LEDランプですが、一旦分解して、レンズの前の透明な樹脂板にイエローフィルムを貼り付けました。
当初はビームが広角なものを入手するつもりだったのですが、Amazonのレビューなどを見て、水平方向にワイドなだけでなく、上下にも散光しているとのことが分かったので、ビームが絞られたスポット光となるタイプを購入しました。
自動車用ではなく、作業灯などの汎用照明用のようなので、円形に散光するのは当然ですよね。
さらに、手元に届いた現物を実際に点灯させてみると、、たしかにスポット光ではあるものの、主光軸の外側にもかなり漏れがあるため、他車への眩惑の迷惑がかからないよう、かなり下向きに取り付けることになりました。
実際に付けた状況はこんな感じです。
点灯させていなければ、どこにLEDフォグが付いているか分からない程度の存在感です。
ヘッドライトはオフでLEDフォグランプだけを点灯させるとこんな感じ。
最近のバイクは走行時(というかエンジンが回っている時)には必ずヘッドライトが点灯する構造なので、あまりない状況ですが。
ヘッドライトもLEDフォグランプも点灯させた状態、つまり通常の走行状態はこんな感じになります。
ご覧のように、すぐ近くの地面だけを照らしており、ちょっとマヌケな感じもありますが、、、
フォグランプ発光部よりもむしろ「黄色く照らされている路面」が広い面積で目立っているので、「被視認性の向上」という意味では自分の目的は達成できており、ヨシとします。
LEDフォグランプ本体は、エンジンガードにボルトナットで固定されていますが、グイッと力を入れれば光軸の方向を変えることができますので、たとえば、ヘッドライトにトラブルがあった時など、イザという時にはもっと遠くを照らすことも可能です。
問題は、この安物LEDランプの耐久性ですが、、、それについては、しばらく様子を見てみるしかありませんね。
ちなみに、くちばし部分の下に写っているのは、自分で後付けしたホーン(クラクション)です。
ホーンの強化 (ダブル・ホーン化)
についてはこちら。
【2016/1/29 追記】
後日、別の機会にこのLEDフォグランプの消費電力(電流)を測定してみました。
購入時の商品説明としては、「LEDパワー 10W」となっていますが、下の写真の通り、実測電流値は2灯で 1.1A程度となりました。
これはエンジン停止状態なので、バッテリ電圧が12.5Vくらいだったとすると、1灯あたり 7W に満たない消費電力ということですね。
まぁ、こんなものなのでしょう。
【2016/6/6 追記】
コメント欄にご質問を頂いたので、本文に追記しておきます。
白色LEDを黄色く光らせるために私が使ったのは、このフィルムです。
期待していたよりは薄い色だったので、何枚か重ね貼り(3枚くらいだったかな?)したら自分の望むような色味になってくれました。
広い面積にキレイに貼るためには技術が必要なのかもしれませんが、私はごく簡単に、ハサミで切って普通のシールやステッカーのように貼り付けただけです。
【2016/8/28 追記】
先日の北海道ツーリングで夜間の霧の中の写真を(たまたま)撮っていましたので掲載しておきます。 本記事の冒頭に書いた通り、フォグランプと言いつつ実際の霧の中での使用はあまり考えてはいなかったのですが、十分な実用性がありました。
いつか、機会があったら、霧の中でもっと離れた場所からの視認性や、自車からどのように見えるのかが分かるような写真も撮ってみたいと思います。
【2017/7/4 追記】
ここ最近、本格的な DRL : デイタイムランニングランプ(昼間走行灯) を装備したクルマ(主に欧州車や高級車)を数多く見かけるようになってきたので調べてみたところ、2016年10月の保安基準改正で、クルマ(四輪車)については、DRLが公式に認められるようになっていました。
道路運送車両の保安基準等の一部を改正する省令等について
https://www.mlit.go.jp/common/001148214.pdf
DRLに関する部分を抜粋すると以下の通りですが、、、要するに、バイク(二輪車)にはまだ適用されませんので、今のところは従来通りです。
(2)昼間走行灯に関する基準の導入
昼間走行灯について、「デイタイムランニングランプ(昼間走行灯)に係る協定規則
(第 87 号)」を新たに採用し、以下のとおり基準を新設します。
【適用範囲】
○ 自動車(二輪自動車、側車付二輪自動車、三輪自動車、カタピラ及びそりを有す
る軽自動車、大型特殊自動車、小型特殊自動車並びに被牽引自動車を除く。)
【改正概要】
○ 灯光の色及び明るさ等に関し「デイタイムランニングランプ(昼間走行灯)に
係る協定規則(第 87 号)」の要件に適合し、かつ、取付位置及び取付方法等に関
し「灯火器の取付けに係る協定規則(第 48 号)」の要件に適合する昼間走行灯を
備えることができることとします。
また、この保安基準の詳細を調べてみたところ、DRLの色は「白色」に限定されています。
道路運送車両の保安基準の細目を定める告示【2016.10.07】〈第一節〉第202 条の2(昼間走行灯)
https://www.mlit.go.jp/common/001154267.pdf
(昼間走行灯)
第202 条の2 昼間走行灯の灯光の色、明るさ等に関し、保安基準第34 条の3第2項の
告示で定める基準は、次の各号に掲げる基準とする。
一 昼間走行灯の光度は、1,440cd 以下であること。
二 昼間走行灯の照射光線は、他の交通を妨げないものであること。
三 昼間走行灯の灯光の色は、白色であること。
(後略)
つまり、黄色などのDRLは認められません。
国際的な基準に合わせているはずなので、おそらく近い将来にバイクにも適用されるとしても同様だと思われます。
・・・ということで、2017年現在も、たぶん将来的にも、私が取り付けたライトは DRL(昼間走行灯)ではなく、フォグランプ(前部霧灯)の扱いのままということですね。
フォグランプとしての保安基準を満たすようにしているので当然のことですが、先日の車検の際も、何も問題無く合格しました。